葬儀・終活コラム

葬儀の準備

エンバーミング とは?概要と料金相場・メリット・注意点

エンバーミング とは?内容や料金相場、メリット、注意点を解説

エンバーミング とは、遺体に防腐処置を施して衛生的に遺体を保存できるようにし、また血色をプラスして生きて健康だった頃の顔色をよみがえらせる技術です。葬儀社の社員などではなくエンバーマーと呼ばれる資格保持者が行うため、別途料金が必要になります。 エンバーミング の内容や料金、メリット、注意点について解説します。

エンバーミング とは、遺体に防腐処置を施して衛生的に遺体を保存できるようにし、また血色をプラスして生きて健康だった頃の顔色をよみがえらせる技術です。葬儀社の社員などではなくエンバーマーと呼ばれる資格保持者が行うため、別途料金が必要になります。 エンバーミング の内容や料金、メリット、注意点について解説します。

エンバーミング とは特殊技術による遺体防腐処置のこと

エンバーミングとは、遺体から血液を抜き、その代わりに特殊な防腐剤を注入することで遺体を衛生的に保つ技術です。防腐剤の色味により、顔色を血色よくよみがえらせることもできます。エンバーミングの技術を持っている人を「エンバーマー」と称し、ほとんどが専門資格を所持しています。
エンバーマーの仕事は、基本的には遺体を衛生的に保つことですが、付随して行う仕事もあります。エンバーマーの主な仕事は以下の通りです。

・火葬まで遺体を腐敗させないようにする消毒・殺菌処置
・遺体の損傷箇所の修復
・安らかな顔に導く死化粧

以上のうち、「安らかな顔に導く死化粧」については、エンバーマーだけでなく、納棺師によっても可能です。納棺師とは棺に故人を納める際の儀式を担当する者のことで、故人の体をバスタブで洗い清める湯灌や、最後の衣装への着替え、死化粧を行った後に遺族とともに納棺します。

また、死化粧については、最後の入院先の看護師が行ったり(エンゼルメイク)、葬儀担当者が遺族とともにサービスの一環として行ったりするケースも見られます。

エンバーミング の料金相場

エンバーミングは特殊技術なので、葬儀とは別に料金がかかります。相場は15万円から25万円ほどで、金額は遺体の状態によって変わります。
一方、納棺師が行う湯灌と納棺の儀式については、8万円から10万円程度が相場となります。「エンバーミングまでは必要ないけれど、きれいに身支度をして送ってあげたい」と遺族が望む場合は、納棺師を依頼するのがいいでしょう。

看護師が行うエンゼルメイクや、葬儀社の担当者が故人に行う最低限の身支度については、入院料金や葬儀料金の範囲内とされることが多いでしょう。

エンバーミング を検討するケース

エンバーミング を検討するケース

納棺師による湯灌等ではなく、徹底した防腐処置を施すエンバーミングを検討するケースには、次のようなものがあります。

・火葬までの間隔が長い

亡くなってから火葬までの間隔がかなり長く、葬儀社の安置室等を利用すると費用がかさんでしまうようなときは、エンバーミングのほうが安価で安全に故人の尊厳を守れる可能性があります。例えば、安置室の料金が一日につき1万円であれば、2週間で利用料は14万円となり、エンバーミングの料金にかなり近づきます。エンバーミングを施せば自宅での安置が可能になり、ドライアイスの必要もありません。

・遺体の損傷が激しい

ある程度の損傷であれば納棺師が対応できますが、損傷が激しく、かつ可能な限りの復元を遺族が望む場合には、エンバーマーの登場となります。エンバーマーだからこそ使える特殊技術により、生前の姿に近づけられます。

・感染症が不安

故人が何らかの感染症で亡くなったと考えられるとき、遺体に近づくことが難しくなります。エンバーミングの徹底した殺菌処理により、生きている人への感染の心配は解消されます。

・空輸しなければならない

何らかの事情で、飛行機など空輸での遺体搬送が必要になったときには、エンバーミングを行います。機内ではドライアイスが使えないこと、空輸の振動などにより遺体からの体液流出の心配があることなどから、エンバーミングが勧められます。

エンバーミング のメリット

エンバーミングの主なメリットは、以下の3点です。

・ドライアイスがいらない

エンバーミングを施せば、以後は遺体を冷やす必要がありません。一日数千円から1万円ほどにもなるドライアイスの料金を節約できます。冷たいドライアイスを長時間当て続けることによる、皮膚の黒ずみも回避できます。

・自然な姿でのお別れが可能になる

エンバーミングを施した遺体は、血色を取り戻し、まるで眠っているかのような姿になります。最後のお別れを、より自然な姿で行えます。

・安心して故人に触れられる

エンバーミングを行えば、感染症の心配がなくなるため、安心して故人に触れることができます。これが遺族にとっては心を癒す最高のメリットといえるでしょう。

エンバーミング の費用と注意点

エンバーミングの注意点は、トータルの葬儀料金を意識することです。エンバーミングそのものの料金相場は15万円から25万円ですが、棺代や搬送代は別途かかりますし、葬儀を行えば式場利用料や料理、お返しもの、寺院へのお布施といった出費があります。最終的に、かなりまとまった金額が出ていくこととなるでしょう。

エンバーミングを検討したいと考えたときには即決せず、必ず予算の確認を行いましょう。当初の予定で葬儀を行い、そのうえでエンバーミングを施しても予算的に無理がないのであれば、安心して依頼することができます。予算的に厳しいのであれば、エンバーミングをするぶん、葬儀のどんな費用を削れるのかきちんと葬儀社に相談し、トータル金額の見積もりをもらうのが大事です。

エンバーミング は遺族の心を支えるもの

エンバーミングは生前の健康だった姿をよみがえらせる、特殊な技術です。眠っているかのような顔を遺族で囲んでいれば、故人の元気な頃の思い出が心を行き交うことでしょう。最後のお別れの時間に、心に灯がともるような温かさを実感できます。

必要に迫られてエンバーミングを行う人が大半ですが、施術後の故人の顔を見れば、大事な人を喪った悲しみが少しなりとも癒やされるのではないでしょうか。葬儀社等からエンバーミングを勧められたときは、メリットと注意点を見極めて、家族みんな納得の上で決断を下しましょう。

この記事を読まれた方は「湯灌 とは?湯灌の意味や手順、マナーについて解説」もご参考になれば是非お役立てください

穂苅 岳史

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