葬儀・終活コラム

供養

分骨 したいと思ったらどうすればいい?分骨方法と注意点

分骨方法と注意点

複数の骨壺などに、故人の遺骨を分けることを 分骨 といいます。「本山に納骨したい」「一部を自宅で供養したい」など、分骨の理由はさまざまです。火葬場で遺骨になった時点で 分骨 する地域もあれば、「 分骨 なんてとんでもない」という考え方もあります。 分骨 の方法や、 分骨 するときの注意点について解説します。

分骨とは遺骨を分けて供養すること

分骨とは
分骨とは、故人の遺骨を2つ以上の骨壺などに納めて、別々の場所で供養することです。「遺骨を分けると、法に触れるのでは」と不安になる人もいます。しかし、分骨自体は法律違反ではありません。

分骨をする理由は、主に以下の4つです。

・本山納骨のため
進行している宗派の本山に遺骨の一部を納骨することを、本山納骨といいます。さまざまな宗派で本山納骨を行うことができますが、とくに浄土真宗において盛んで、北陸や関西の一部では、本願寺への本山納骨が地域の信者の風習として残っています。

・手元供養のため
遺骨の一部を手元供養するために、分骨する人がいます。手元供養とは、自宅で遺骨を供養する方法です。仏壇やリビングの一角に小さな骨壺を置いて毎日お参りしたり、ペンダントトップに位牌を込めて身につけたりします。遺骨の大部分はお墓に納骨し、ほんの少しの遺骨や遺灰だけを手元供養用に分骨します。

・先祖代々のお墓と新しいお墓、両方で供養するため
親族の手前、先祖代々のお墓に納骨しなければならない。しかし、新しく設けた夫婦のお墓にも遺骨を入れたい。そんな希望を叶えるために、分骨して2か所のお墓に納骨する人がいます。

・散骨するため
故人の遺言により散骨を予定しているけれど、お墓でのお参りもしたいといった人が、一部の遺骨を散骨し、あとはお墓に納骨します。

分骨の方法と流れ

分骨の方法はシンプルですが、火葬場で分骨する場合と、すでにお墓に入っている遺骨を分骨する場合とでは手順が違います。それぞれ解説します。

【火葬場で分骨する場合】

・事前に必要分の骨壺を購入する
葬儀の打ち合わせ時などに、葬儀社へ必要分の骨壺を購入することを伝えておきます。骨壺のサイズは、分骨の分量によって変わってきます。ほんの少しだけを散骨や手元供養に使いたいという人は、一番小さいサイズを購入するのが良いでしょう。火葬場で買える場合もあります。

・火葬場に分骨証明書を発行してもらう
分骨したお骨をお墓に入れる際には、分骨証明書の提示が必要です。葬儀社の担当者や火葬場に、必要な分だけ分骨証明書を出してもらいます。分骨証明書は、分骨した遺骨が誰のものかを霊園管理者などに証明するためのものです。手元供養を行うぶんには、証明書は必要ありません。

・焼骨後、複数の骨壺に遺骨を分けて納める
火葬が終わると、親族たちは遺骨を箸でつまんで骨壺へ納める「骨揚げ」に参加します。骨揚げのときに、事前に買っておいた複数の骨壺へ遺骨を分けて納めます。

【お墓から骨壺を取り出して分骨する場合】

・分骨する容器を用意する
まずは分骨するための骨壺などを用意します。骨壺は、葬儀社のほか、ネットショップなどで売られています。ほんの少し散骨するだけであれば、一番小さいサイズの骨壺を選びましょう。ただ、例えばペンダントトップに少しの遺灰を込めるための分骨であれば、骨壺を購入してもすぐに不要になってしまいます。この場合、ひとまず納骨するのは、密封できる容器であればどんなものでも構いません。

・霊園管理者に連絡し、分骨証明書を用意してもらう
霊園の管理者に「分骨のためいったん骨壺をお墓から取り出したい」と連絡を入れます。お墓を開ける日取りを決めると、霊園側はお墓を開けるために石材店を手配してくれます。簡単に開けられるお墓であれば、遺族自身がお墓を開けることになります。また、分骨する骨壺の数だけ、分骨証明書が必要なため、用意してもらいましょう。

・お墓から骨壺を取り出し、新しい骨壺などへ遺骨の一部を移す
お墓から骨壺を取り出し、蓋を開けて、新しい骨壺などへ遺骨の一部を移します。

分骨する際の注意点

分骨する際は、以下に注意しましょう。

・親族の了解を得ておく
分骨については、様々な考え方があります。なかには「分骨は絶対にダメ」という親族もいるかもしれません。「勝手に分骨した」などとトラブルに発展しないよう、親族の了解をしっかり得てから行いましょう。

・遺骨のうち、大事な部分を知っておく
遺骨のうち、仏教で一番大事とされるのが「喉仏(のどぼとけ)」の部分です。骨の形が、仏様が座禅を組んでいるように見えるため、「喉仏」という名前がついています。一般的に、本山納骨においては、この喉仏を含んだ遺骨の一部を本山へ持参する習わしがあります。分骨するときには、喉仏の部分をどのお墓に納めるか、親族に相談しましょう。

分骨は違法ではないが正しい手順と注意点がある

分骨は、違法ではありませんが、上述のように分骨証明書の発行が必要になったり、親族への配慮が必要になったりします。信仰の対象である故人の遺骨を分ける行為ですから、特別丁寧な対応を心がけましょう。

散骨や手元供養をした後、不要になった骨壺は、散骨業者に引き取ってもらうことができます。お寺によっては、骨壺の処分をしてくれるところもありますから、相談してみましょう。

髙野 一博

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