葬儀・終活コラム
神棚封じ とは?タイミングやマナー、注意点を解説
葬儀が生じたら、 神棚封じ をしなければならないということをご存じでしょうか。神道の神様は穢れを嫌うため、神棚に白い紙を貼り、目隠しをする必要があります。どんな紙がよいか、いつ行うのか、いつまでやるのかなど、 神棚封じ をするタイミングやマナー、注意点について解説します。
【もくじ】
葬儀が生じたら、 神棚封じ をしなければならないということをご存じでしょうか。神道の神様は穢れを嫌うため、神棚に白い紙を貼り、目隠しをする必要があります。どんな紙がよいか、いつ行うのか、いつまでやるのかなど、 神棚封じ をするタイミングやマナー、注意点について解説します。
神棚封じとは、神様が穢れを見ないための目隠し
神棚封じとは、人が亡くなった穢れを神様に見せないようにするための儀式です。神道の神様は、血や死を穢れとして嫌うといわれています。神棚がある家の家族が亡くなると、穢れが発生するため、それを神様に見せないために神棚封じを行うのです。
神棚を封じるためには、白い紙を目隠しのように神棚の前に貼り付けます。神棚を封じている間は、お供え物をしたり、礼拝したりしてはいけません。これは神道のしきたりであるため、信仰している宗教が他にあったとしても、神棚のある家は必ず神棚封じを行います。
神棚封じ をするタイミングと方法
その家に住む家族が亡くなったと知ったなら、なるべく早く神棚封じを行いましょう。喪主や遺族が故人を看取るため病院に詰めている場合は、帰ってきたらまず神棚封じを行います。とはいえ、故人を連れて帰ってきたら、まずは故人を安置しなければなりません。人手がない場合は、故人を布団に休ませ、枕元での焼香が終わり次第、神棚封じを行いましょう。
喪主や遺族はすでに穢れているという考えのもとでは、神棚封じは喪主や遺族以外、例えば近隣の手伝いやなるべく遠縁の親戚などが行ったほうがよいといわれています。しかし地縁、血縁が薄くなってきた現代で、そのような人たちが故人の安置時に居合わせるのは難しいでしょう。神棚封じは、もし可能だったら遺族以外が行うという捉え方で構いません。
神棚封じに必要なものは、お習字用などの半紙とセロハンテープです。半紙がなければA4のプリンター用紙でも構いません。
神棚封じ の手順
神棚封じの手順は、以下の通りです。
1.神棚の神様に挨拶し、家族の誰が亡くなったかを伝える。
2.神棚のお供え物を下げ、扉があれば閉める。
3.半紙を神棚の手前に、目隠しをするように貼る。天井から半紙を吊るすように貼れば、神棚を傷つけずに済む。セロハンテープがよく効くよう、テープを貼る位置は軽く乾拭きして埃を除く。
これを、家の中の神棚全てに対して行います。古い家でよくあるのが、部屋ごとに神棚を祀っているケースです。「家を守る先祖神様」「商売の神様」など、それぞれ役割が違います。とくに故人以外に同居人がいない家では、それぞれの部屋をチェックして、封じていない神棚がないかを調べましょう。
神棚封じ はいつまで行う?
神棚封じは、家族が亡くなってから50日目まで行います。神道ではこのタイミングで五十日祭を行い、穢れがなくなる忌明けとするためです。50日目が終わったら、半紙を取って簡単に神棚の掃除をし、日常のお参りを行うようにしましょう。
故人が一人暮らしをしていた家では、ぴったり50日目に半紙を取り去るのは難しいでしょう。50日が過ぎてから、空き家に風を通すなどの目的で訪れたときに半紙を取るという処置でも仕方ありません。
神棚封じ の注意点
神棚封じにおいては、以下の点に注意しましょう。
・踏み台や椅子からの転落に注意
神棚は高い位置に祀られます。天井に近いところへ半紙を貼るためには、踏み台を使わなければならないでしょう。手近に踏み台がない場合は、足を置くのにあまり適していない椅子を仕方なく使うこともあるかもしれません。家族が亡くなって気持ちが落ち着かないときですので、転落に注意しましょう。なるべく高齢者や妊婦ではなく、若い人や男性が神棚封じを行うようにします。
・地域特有のしきたりに注意
地域によっては「父母が亡くなったときの神棚封じは50日間だが、それ以外であれば期間は短くともよい」とするところもあります。また、喪主や遺族が神棚封じをすることに敏感な地域も存在します。地域特有のしきたりに注意しましょう。
・故人と同居していない喪主や遺族の家は 神棚封じ の必要がない
故人と、喪主や遺族が別居している場合、故人の家は神棚封じの必要がありますが、喪主や遺族の家は神棚封じの必要がありません。あくまで、その家に住んでいた人が亡くなったときに神棚封じを行います。
家族が亡くなったら真っ先に神棚へ報告しよう
実際の神棚封じにおいては、自宅への搬送時に居合わせた葬儀社員が案内してくれます。自宅へ故人を搬送せず安置施設への安置となる場合にも、自宅へ戻るときには神棚封じをするよう、アドバイスしてくれます。人が亡くなって、初めて自宅へ帰るときは、神棚封じを忘れずに行いましょう。