葬儀・終活コラム
法事の挨拶はどう行う?例文もご紹介
法事 の際は、葬儀と同様に、施主が儀式の節目で 挨拶 を行うことになります。法事には、四十九日、一周忌、三回忌といったものがありますが、挨拶の仕方は基本的に同じです。一度覚えればずっと使えますから、ポイントを押さえておくと便利です。法事の流れに沿った挨拶の仕方を解説します。
【もくじ】
法事とは故人の冥福を祈って行う儀式と会食
法事 とは、故人の追善供養を行う儀式です。追善供養とは、故人がきちんと成仏できるように、お経を読んだり祈りを捧げたりすることを指します。法要会館や施主の自宅、お寺などに親族を中心とした縁者が集まり、位牌を前に僧侶が読経して、参列者は焼香を行います。
また、儀式が終わった後には、会食があるのが一般的です。故人の位牌に対しても陰膳(かげぜん)として食事をお供えし、親族が故人についての思い出話をしながら一緒に食事をするのが供養とされています。会食後、施主は親族らに返礼品を持たせ、見送ります。会食を省略し、返礼品を渡すだけとする場合もあります。
儀式と会食で構成される法事の中で、施主は進行の節目に手短な挨拶をする必要があります。また、儀式と会食の間にお墓参りを挟む場合もあります。どのような 挨拶 がふさわしいのか、法事の流れに沿って、それぞれの場面で行う挨拶について解説します。
法事の流れと挨拶の仕方
法事の挨拶には、2つの役割があります。1つは参列者に感謝の意を表すこと、もう一つはこれから何が行われ、どう行動すればよいかについて、案内をすることです。
儀式前
親族が到着したら、足を運んでくれたことに感謝し、会場へ案内しましょう。香典を受け取ったら、席を案内するか、儀式が開始するまで時間があるなら控えの間などへ案内します。
僧侶が到着したら、「本日はありがとうございます。どうぞよろしくお願いします」と、手短に挨拶を済ませます。儀式まで間があるようなら控えの間などへ案内しましょう。着替えが必要なら個室や間仕切りのある空間に案内します。お布施は、まだ渡しません。
儀式が始まるとき
法要が始まるとき、喪主の挨拶が必要になります。開始を告げ、僧侶に後の進行を任せる、ごく簡単なものです。
【例】
「本日は、ご多忙の中、お越しいただき誠にありがとうございます。お時間となりましたので、ただいまより、故●●●●の一周忌法要を行います。●●寺 ご住職、どうぞよろしくお願い申し上げます。」
儀式が終わったとき
儀式が終わると、僧侶から合図があります。あるいは、法話が始まります。僧侶の話が終わったところで、儀式を終了する挨拶を行い、参列者に感謝の念を述べます。この後、参列者がどのような行動をとればよいかを告知しましょう。
【例】
「おかげさまをもちまして、故●●●●の一周忌法要を終えることができました。みなさま、誠にありがとうございました。故人も、あの世で安心していることと存じます。」
(お墓参りがある場合)
「この後、●●霊園でお墓参りを行い、会食となります。霊園へはバスで(徒歩で)参ります。お支度をしてお待ちください。」
(すぐに会食となる場合)
「ささやかではございますが、別室にて会食の席を設けております。故人を偲びながら、ぜひお召し上がりください。ご案内申し上げますので、お支度をしてお待ちください。」
(会食がない場合)
「本来であれば、皆様と故人を偲びながら粗宴を囲みたいところですが、遠方からの方もいらっしゃいますので、本日は以上をもって終了とさせていただきます。心ばかりの品をご用意しましたので、お帰りの際にはお持ち帰りください。本日は、誠にありがとうございました。」
参列者らが支度をしている間に、僧侶へ挨拶し、お布施を渡します。僧侶が会食に参加しないときは、御膳料を渡しましょう。また、僧侶が自分で車を手配するときは、御車代も渡します。慌ただしい中ですが、施主自身がしっかり僧侶をお見送りするのがマナーです。
会食が始まるとき
【例】
「おかげさまをもちまして、父の一周忌を無事終えることができました。粗宴ではございますが、どうか供養のためにも、お時間の許す限り父を偲びながらお召し上がりください。献杯のご発声を、●●様にお願いいたします。」
会食を終えるとき
【例】
「そろそろお時間となりましたので、挨拶をさせていただきます。こうして皆様と食事を囲むことができ、父もあの世で喜んでいることと存じます。残された私たちに、どうか今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、なにとぞお願い申し上げます。
心ばかりの品を用意しておりますので、お帰りの際にはお忘れなきよう、お持ち帰りくださいませ。
本日は、誠にありがとうございました。」
法事の挨拶は心を込めて感謝の意を表そう
法事は、故人の追善供養であると同時に、遺族の今の姿を親族に見せる、またとない機会でもあります。まだまだ悲しみは癒えていないけれど、支えてくれる親族に感謝しながら、一生懸命頑張っていく遺族の姿を見せましょう。