葬儀・終活コラム

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一般葬とは〜家族葬でも社葬でもない、一般的な葬儀〜

一般葬という言葉をご存知でしょうか。縁のある人すべてを通夜や葬儀に呼ぶもので、さまざまな葬儀形式が出てきている現代では、それぞれのメリットとデメリットを押さえて選ぶ必要があります。今回は、 一般葬 の特徴や流れ、メリット、デメリットについてご紹介します。

一般葬とは、縁のある人すべてを参列対象とする葬儀のこと

一般葬とは、故人と縁のある人に通夜や葬儀に来てもらう葬儀形式のことです。縁のある人とは、親族はもちろん、故人や喪主の友人、近隣の人、会社関係者のことで、交友関係によってはかなりの人数が集まるケースも見られます。50人以上の参列者が来るのが一般的です。

一方で、最近では「家族葬」という葬儀形式が多く見られます。家族葬とは、縁ある人のうち、親族だけを主な会葬者とする形式で、一般葬よりも規模が小さくなります。また、「社葬」という言葉もあります。社葬は、会社の代表的存在が亡くなったときに、会社側が指揮をとって行う葬儀のことを指します。

一般葬の流れ

一般葬の主な流れは以下の通りです。

逝去日

  • 安置
    自宅や安置施設に遺体を安置します。
  • 枕経
    仏式葬儀の場合、僧侶による枕経があります。
  • 打ち合わせ
    僧侶ならびに葬儀社と一般葬の打ち合わせを行います。
  • お知らせ
    日程が決まれば、参列関係者にお知らせを出します。

2日目~

  • 納棺
    故人の着替えを行い、化粧を施してから棺に休ませます。納棺前に、故人を入浴させて身を清める「湯灌(ゆかん)」を行うこともあります。
  • 通夜
    僧侶が通夜経をあげ、参列者は焼香を行います。親族のほかに一般会葬者が訪れます。
  • 通夜振る舞い
    参列者をまじえて会食を行います。

3日目~

  • 葬儀
    親族や参列者と共に故人を弔います。
  • 出棺、火葬
    葬儀場から火葬場へ移動し、火葬を行います。
  • 精進落とし
    親族や参列者と会食を行います。

※日程により日数は変動します。火葬場の空き状況や遺族の希望により、逝去日から葬儀まで一週間程かかる場合もあります。

一般葬のメリット

一般葬のメリットは、以下の3つです。

 

  1. たくさんの人が一度にお別れできる
    縁のある人すべてが集まるため、葬儀という一度の機会で、たくさんの人が故人にお別れと感謝の言葉を告げることができます。
  2. 香典により遺族の金銭的負担を軽減できる
    葬儀の費用は大きく分けて2つあります。1つ目は、棺や祭壇等の儀式を行う上で必ず必要になるものの費用です。この費用については、葬儀の形式が一般葬であっても家族葬であってもあまり変わりません。2つ目は、参列いただいた方に対する御礼としての返礼品や料理等のいわゆる接待費用です。この費用については、一般葬で参列される方の人数が増えれば、接待費用は増加しますが、相互扶助の観点から参列する場合は香典を持ち寄ることが一般的であり、いただいた香典を葬儀費用に充てることができます。また、一般的な金額でみると、香典>接待費用であるため、香典が多くなればなるほど、遺族の葬儀費用負担は軽減できるのです。
  3. 親族が納得しやすい
    一般葬は従来の葬儀形式なので、昔ながらの葬儀に慣れた親族からの了解を得られやすいです。

一般葬のデメリット

一般葬のデメリットは、以下の2つです。

 

  1. 遺族がお別れに集中しにくい
    一般会葬者がたくさん訪れると、そのぶん遺族は対応しなければなりません。遺族は挨拶に回っているうちに葬儀が終わり、最後にゆっくり故人の顔を見てお別れできないという事態になりがちです。そうした場合は、日程に余裕を持たせるなど、悔いの残らないお別れができるよう葬儀社や親族と相談しましょう。
  2. 葬儀費用が膨らむ
    受け取れる香典は増えますが、そのぶん香典返しや会食に関する費用が増えることや、大きな式場を借りなければならないケースもあるため、全体的な葬儀費用はかさむことになります。葬儀費用の総額が増え心配になるかもしれませんが、前述のとおり遺族負担の金額(割合)は減りますので、そうしたことも念頭に打合せに臨みましょう。

まとめ

近年、「精神的、金銭的負担を減らしたいから」と、一般葬を避けて家族葬を選択する人が増えてきています。しかし、前述したように、家族葬を選ぶ場合、葬儀後に個別の弔問を受けなければならないかもしれません。とくに付き合いの広い故人や喪主には、一度にたくさんの人へ挨拶できる一般葬がおすすめです。

菅野 実

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