葬儀・終活コラム

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一日葬とは〜通夜を行わず告別式だけを行う葬儀形式〜

一日葬という葬儀形式をご存知でしょうか。通夜を行わず、告別式のみを行うものです。通夜を省略すれば、2日続けて儀式を行う必要がないため、金銭的にも身体的にも遺族の負担を少なくできます。今回は、 一日葬 の特徴や流れ、メリットとデメリットについてご紹介します。

一日葬とは、一日だけで儀式を行う葬儀

一日葬とは、葬儀前夜の通夜を行わずに告別式と火葬だけで儀式を行います。一日だけで全てを行うため、一日葬、あるいはワンデーセレモニーと呼ばれています。2000年代後半から出てきた葬儀形式で、近年は葬儀を簡便に行う傾向があるため、注目が集まっています。
関連するところでは、「直葬」がありますが、直葬は葬儀を行わず火葬だけを行います。また、「家族葬」とも似ていますが、家族葬は親族だけで行う通夜・葬儀を指しています。一方で一日葬は、一日で葬儀を行うという意味を持ち、会葬者を親族だけに制限するかどうかは喪主の判断にゆだねられます。

一日葬の流れ

一日葬の主な流れは以下の通りです。

 

逝去日

  • 安置
    自宅や安置施設に遺体を安置します。
  • 枕経
    仏式葬儀の場合、僧侶による枕経があります。
  • 打ち合わせ
    僧侶及び葬儀社と一日葬の打ち合わせを行います。
  • お知らせ
    日程が決まれば、親族や参列者にお知らせを出します。

2日目あるいは3日目

  • 納棺
    葬儀前に納棺の儀を行います。故人を布団から棺に休ませます。
  • 葬儀
    親族や参列者と共に故人を弔います。
  • 出棺、火葬
    葬儀場から火葬場へ移動し、火葬を行います。
  • 精進落とし
    親族や参列者と会食を行います。

※法律により死後24時間は火葬できないため、死亡が夕方以降だった場合は、葬儀・火葬を死亡の翌日に行うことはできません。その場合は、3日目以降に葬儀・火葬を行います。

一日葬のメリット

一日葬のメリットは、以下の3つです。

 

  1. 親族の身体的負担が減らせる
    一般参列者と違い、通夜、葬儀の両方に参列する親族は、二日間参加することになります。喪服を着たり、髪を整えたり、遠方からの場合は宿泊の用意をする必要があるため、かなりの負担です。一方で一日葬は、一日で全てを終わらせるため、身支度は一度で済みます。儀式や会食も夜間に及ばないため、とくに高齢者にとっては負担緩和になります。
  2. 喪主の金銭的負担が減らせる
    通夜と通夜振る舞いがないため、その分の費用を減らすことができます。ただし、棺や骨瓶、式場使用料等はほかの葬儀形式と変わらないため、それを念頭に置いて打ち合わせに臨みましょう。
  3. お別れに集中できる
    一日葬を行う場合、通夜の準備やあいさつ、接待等がないため、遺族の精神的・肉体的負担も軽減できます。また、親族のみの参列に限定すれば、弔問者の対応等で常に緊張状態でいなければならないといったことも回避でき、故人とのお別れに集中することができます。

一日葬のデメリット

一日葬のデメリットは、以下の通りです。

 

  1. 儀式の日のスケジュールが過密になる
    すべての儀式を一日で行うためには、納棺の儀式を葬儀当日に行うことが一般的で、葬儀の時間にも寄りますが、親は朝早くから集まることになります。朝から晩まで儀式に参列することになり、過密なスケジュールになりがちです。
  2. 会葬できない人が出てくる恐れがある
    葬儀は日中に行なわれるため、仕事の都合で会葬したくてもできない人が出てくる恐れがあります。そうすると後日ご自宅等に弔問される方が増える可能性があります。また、逝去の次の日に一日葬を行う場合、急すぎて遠方の親族が参列できないかもしれません。
  3. 通夜がないことで親族の反対にあうかもしれない
    通夜があって当然という感覚の人がまだまだ多いので、「通夜がないなんて寂しい」「簡略化せず、しっかり送ってあげるべき」といった親族の反対にあうかもしれません。

まとめ

一日葬を検討するなら、メリットとデメリットをきちんと把握し、デメリット面について対策をとるようにしましょう。デメリットは、親族らの理解があれば回避できるものばかりです。時間があれば、とくに故人と近い関係のある親族には一日葬のメリットをきちんと説明し、理解を得てから進めるようにしましょう。

斎藤 勇市

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