葬儀・終活コラム

葬儀後に必要なこと

葬儀後の 精進落とし 、遺族側のマナーと参列側のマナー

精進落し について

葬儀の後に行われる 精進落とし の場で、どのようにふるまえばいいのだろう?と悩む人は少なくありません。 精進落とし には、通常の会食とは少し違う、弔事の場ならではのマナーがあります。精進落としにおける遺族側と親族側のマナーや、親族ではない参加者の振る舞い方について解説します。

葬儀の後に行われる 精進落とし の場で、どのようにふるまえばいいのだろう?と悩む人は少なくありません。 精進落とし には、通常の会食とは少し違う、弔事の場ならではのマナーがあります。精進落としにおける遺族側と親族側のマナーや、親族ではない参加者の振る舞い方について解説します。

精進落としとは葬儀の後に行われる親族中心の会食

精進落とし とは葬儀の後に行われる親族中心の会食

精進落としとは、葬儀の後に行われる親族中心の会食を指します。葬儀の後、火葬が終わってから精進落としをする場合と、火葬場の会食場で火葬の間に行われる場合とがあります。地域のしきたりや葬儀、火葬の時間帯によって、精進落としのタイミングは違います。

精進落としには、葬儀後の火葬の場合、基本的に一般参列者は出席しません。遺族のほか、親族、故人ととくに親しくしていた人、葬儀のお手伝いをしてくれた近隣の人などが、精進落としに出席します。出席者は喪主が選び、あらかじめ券を渡しておくこともあります。また、地域によっては火葬を先に行う場合があり、比較的一般の方も精進落としに出席する地域もあります。

お通夜の場でも会食があり、これを通夜ぶるまいといいます。参加人数の読めない会食は大きな鮨桶や大皿のオードブルが中心となりますが、事前に喪主が出席者を把握できる場合は、一人ひとりにお膳が出されることもあります。

精進落としの遺族のマナー

精進落としのマナーとして、遺族が気をつけるべきなのは、以下の5点です。

・目上の人から順に、奥の席に座るよう促す
会場奥には故人の遺影と陰膳(仏様用のお膳)が用意されています。陰膳の近くで、出入り口から最も遠いテーブルが上座です。故人の実家の当主、故人の配偶者の実家など、喪主から見て親族の中でも目上の人から上席に案内します。同じテーブルに、菩提寺の住職が参加するようであれば座ってもらいましょう。

次のテーブルには、故人の親友や、このたびの葬儀でお手伝いをしてくれた近隣の方々などに座ってもらいます。話し仲間が同じテーブルになるよう配慮するのが大事です。

親族は家族ごとに固まって座り、遺族が末席となります。あらかじめ遺族間で席次を打ち合わせておくと、スムーズに案内できます。

 

・献杯の発声を、年配者に依頼する
食事を始める合図を、通常「乾杯」といいますが、弔事では「献杯」といいます。上座に座っている人の中から、親族の代表格となる人に献杯の発声をお願いしましょう。あらかじめ伝えておくのがベストですが、直前の依頼であっても失礼には当たりません。

 

・飲み物を注いで回るときは目上の人から順に
献杯の発声が終わったら、遺族は飲み物を持ち、各テーブルを挨拶に回ります。上座から回るようにしましょう。とくに献杯を依頼した親族の代表者や菩提寺の住職には、喪主自身が真っ先に今日のお礼を伝えます。

 

・なるべく多くの人に挨拶をする
精進落としでの挨拶回りはたんに「飲み物を注ぎに行く行為」と理解されがちですが、本来は参列してくれた人たちに当日のお礼を伝える行為です。日ごろ疎遠になっている親族らには、改めて遺族が自己紹介し、「今後も変わらぬお付き合いを」とお願いする場でもあります。なるべく多くの人に挨拶し、故人の想い出などで交流しましょう。

 

・早めに帰る人には車の手配をし、見送りをする
終了前に帰りたいという人が現れたら、必要な場合はタクシーなど車の手配を行います。そして車の用意ができたら声をかけ、できる限りお見送りをしましょう。

精進落としの親族のマナー

精進落としで親族が気をつけたいマナーは、以下の6つです。

・献杯の指名はなるべく受ける
喪主から献杯の発声を依頼されたら、特別な事情がない限りは、なるべく受けるのがマナーです。献杯の際には立ち上がり、「ご指名ですので」と断ったうえで自己紹介し、故人との想い出などを手短に語ったら、会場奥にある遺影に向かってグラスを掲げ「献杯」と言います。

 

・献杯の際にはグラスを打ち付けたり拍手をしたりしない
乾杯の音頭の後はカチンとグラスを打ち付け、一口飲み物を飲んだ後に拍手をするのが一般的です。しかし、献杯の際は、グラスを打ち付けるふりだけをしてカチンと打ち鳴らさず、拍手もしません。精進落としだけではなく、法要など弔事全般に使えるマナーです。

 

・飲みすぎない、騒がない
精進落としは単なる飲み会ではなく、故人を偲ぶ機会です。また、故人の遺影を囲み、親族がともに食事をすることが供養になるとされています。お酒の度が過ぎて誰かに絡んだり、故人とは関係ない話をして騒いだりといったことは控えましょう。

 

・終了の合図があったら速やかに退出する
精進落としは2時間ほどで終了となります。遺族は連日の儀式で疲れが出ているため、終了の合図があったらすぐ退出し、遺族の負担を減らしましょう。退出までに故人の遺影へ向かって合掌し、冥福を祈り、今日のお別れを告げておきます。

 

・葬儀のお手伝いをしてくれた人に感謝を
故人にごく近い親戚であり、お手伝いをしてくれた近隣の人などと面識がある場合は、精進落とし中に挨拶に回るのがマナーです。お手伝いに対して、そして故人と長く付き合ってくれたことに対して感謝を述べましょう。

親族以外の人が精進落としに出席するときの注意点

故人の親友だった、葬儀のお手伝いをしたなどの縁で精進落としに出席するときは、飲みすぎない、騒がない、をマナーに故人を偲びながら静かに食事しましょう。

また、故人とは親しくしていたけれど遺族とはあまり話をしたことがなかったという人は、席におとずれてくれる遺族や親戚に自己紹介を行い、意識して故人との想い出を話しましょう。遺族にとっては、知ることのなかった故人の一面を知られる機会です。

故人を偲びながらの食事をかみしめよう

精進落としは故人が主役です。しかし、故人は話すことも、お酒を酌み交わすこともできません。故人にまつわる話をしながら、ゆかりある親族みんなで食事をすることが供養となります。縁を与えてくれた故人に感謝しつつ、食事をかみしめましょう。

山本 諒

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