葬儀・終活コラム
湯灌 とは?湯灌の意味や手順、マナーについて解説
湯灌 とは、棺に納める前に故人の体を洗い清め、旅立ちの身支度として、白装束や好みの衣装への着替え、メイクを施すことをいい、 湯灌 サービスは納棺士(師)の仕事を題材とした映画のヒットなどにより、世に広く知られ、希望する遺族も増えてきたようです。湯灌の意味や手順、立ち会うときのマナーについて解説します。
【もくじ】
湯灌 とは、棺に納める前に故人の体を洗い清め、旅立ちの身支度として、白装束や好みの衣装への着替え、メイクを施すことをいい、 湯灌 サービスは納棺士(師)の仕事を題材とした映画のヒットなどにより、世に広く知られ、希望する遺族も増えてきたようです。湯灌の意味や手順、立ち会うときのマナーについて解説します。
湯灌 とは故人の体を洗い清めること
湯灌とは、棺に納める前に、故人の体を洗い清めることを言います。かつては遺族や近親者、近所の手伝いなどが中心となって行っていましたが、大変な作業で精神的な負担が大きいため、故人の手や顔など肌が出ている部分をタオルで拭く程度まで簡素化されてきました。
しかし、最近では湯灌をサービスの一環として行っている葬儀社が増えています。湯灌業者が故人の安置場所へバスタブとシャワーを持ち込み、故人の服を脱がせて髪や体をバスタブで洗った後、着替えとメイクを行うのです。
湯灌 のマナーを知る前に押さえておきたい、湯灌のタイミング
湯灌は故人を裸にする行為なので、屏風などで目隠しをするとはいえ、立ち会える人は限られます。ただ、湯灌として体を清めた後はすぐに、故人を棺に納める納棺の儀式となるのが通例であり、納棺にはたくさんの人が立ち会うという地域も存在します。立ち合いや湯灌・納棺のタイミングについては、喪主の希望により、以下のいずれかとなります。
・近親者のみが 湯灌 ・納棺に立ち会う
喪主と遺族、故人の兄弟といった近親者だけで、湯灌・納棺を済ませる方法です。納棺の儀式にたくさんの人が立ち会う風習がない地域では、この方法が取られます。
・近親者のみが 湯灌 に立ち会い、その後、親族や近隣の人が納棺に立ち会う
近親者だけが湯灌を見届け、その後、納棺の儀に他の親族や近隣の人を呼ぶ方法です。納棺の儀式にたくさんの人が立ち会う風習がある地域では、この方法がよくとられます。親族や近隣の人たちには、納棺の儀の時間と、その手前に湯灌があるため早めの到着は避けてもらうようはっきりお願いしておく必要があります。
・ 湯灌 は立ち合いなしで行う
自宅ではなく安置所に故人を預けた場合、喪主が多忙で湯灌の立ち合いにこだわらず、かつ葬儀社の方針にも問題がない場合は、立ち合いなしで湯灌をすることも可能です。故人の体を洗い清め、着替えとメイクを施した後、布団に休ませて納棺の儀を待ちます。納棺についても立ち合いの必要がないと喪主が判断すれば、棺へ納めます。
・安置後すぐに 湯灌 を行う
遺体損傷が激しく、「すぐにきれいな状態にしてあげて欲しい」と遺族が願う場合には、速やかに湯灌を行います。病院から自宅や安置所へ故人を移送したら、すぐ湯灌に取り掛かります。着替え、メイクまで終えて、布団に休ませるか、棺に納めます。
湯灌 の手順とマナー
湯灌は、次の手順で行います。自宅で湯灌に続いて納棺を行う、最もスタンダードな方法についてご案内し、立ち会う人に必要なマナーについても解説します。
1.目隠し、人払い
湯灌業者がバスタブをもって自宅へ到着します。業者が持参した屏風等を使って目隠しを行い、湯灌を行う空間には立ち会う近親者だけを呼び入れます。
まれに「誰に湯灌を見てもらってもよい」という喪主もいますが、何も知らずに訪れ、湯灌を目撃して驚く弔問客もいます。弔問客のために、できれば湯灌の空間の外にも焼香できる場所を設けるのがいいでしょう。
2.洗体・洗髪
湯灌業者がシャンプーで故人の髪を洗い、体を清めます。目隠しがあるため、立ち会う人であっても故人の裸を目にすることはありません。故人がバスタオルを羽織った状態で、顔や手などを近親者がタオルで拭く儀式を行うこともあります。
タオルはぬるま湯につけてから絞りますが、このお湯を作ることを喪主に依頼する業者もあります。お湯は、洗面器に水を入れてから熱湯を注いでぬるま湯を作る「逆さ水」とします。熱いお湯を水で埋める通常の流れとは逆の動作をすることで、平時ではないことを示します。
3.着替え
葬儀社が用意する白装束か、故人や遺族が希望する衣装に着替えを行います。希望する衣装は、和装でも洋装でも構いません。着替えの一部を喪主や遺族に手伝ってもらうことを、儀式の一環とする業者もあります。
4.メイク
故人の顔を整えます。男性であればひげを剃り(ひげが故人のトレードマークだった場合は、整える程度にします)眉毛を整え、女性はメイクを施します。喪主や遺族の希望により、顔色やメイクの濃さ、口紅やアイシャドウの色を調節していきます。故人が女性で、故人の娘がいる場合は、メイクを手伝ってもらうこともあります。
5.納棺
業者のほか、喪主や遺族、近親者らの手により故人を棺に納めます。納棺後、故人の胸元に「あの世に持っていってほしい」ゆかりの品を持たせます。棺に入れられるのは、燃えやすいもの、水分の少ないものに限られます。例えば金属製の杖やメガネ、入れ歯、リンゴを丸ごと一個などはNG。納棺用に作られた木製の杖を持たせたり、メガネや入れ歯は火葬後に骨箱へ納めたりすることが可能です。果物は一口大に切りましょう。
葬儀後、お別れの儀においても棺のふたは開けられます。納棺後に「棺へ入れてあげたい」と思い出した品物があれば、お別れの儀に持参しましょう。
6.後始末
棺のふたを閉め、棺の前で全員が焼香を終えたら、納棺の儀は終了です。残された故人の布団は処分してかまいませんが、気になる場合は葬儀社に相談しましょう。遺品を供養した後に処分する業者を紹介してくれる可能性があります。また、儀式のときに使った逆さ水は、庭の北側に捨てると良いとされています。
湯灌 のマナーは地域によっても違う
以上、 湯灌 の意味や手順、マナーについて解説しました。湯灌と納棺は地域の風習が色濃く残っている分野なので、始まる前には荒縄を腰に巻くなど、地域によってマナーが違う場合もあります。仕切り役の案内に従って行動しましょう。