葬儀・終活コラム

葬儀の準備

市民葬・区民葬 におけるメリット、デメリットとは?

市民葬・区民葬 のメリットやデメリットを知って賢く利用すれば、安価でしっかりとした葬儀をすることができます。 市民葬・区民葬 といえば「質素な葬儀なのでは」「困窮者しか利用できない?」というイメージのある人も多いでしょう。 市民葬・区民葬 の概要を説明した後、メリットやデメリットについてご案内します。

市民葬・区民葬とは、自治体に住所のある人が使える葬儀のプラン

市民葬・区民葬とは、故人がその自治体に居住していた場合、あるいは喪主の住所地がその自治体にある場合に利用できる葬儀プランです。所得に制限はありません。

市民葬・区民葬では、自治体と葬儀社が提携し、比較的安価に一般的な葬儀を執り行えるプランを作成して、自治体構成員に提供します。多くの場合、自治体から葬儀社に何かしらの報酬があるわけではなく、葬儀社は自治体構成員に対して薄利でサービスを提供することになります。「自治体と提携している」という面が利用者にとっては安心材料となるため、葬儀社にとっては顧客獲得につながります。

市民葬・区民葬のプランを利用するためには、提携葬儀社に直接申し込むのが一般的です。ただ、全ての自治体が市民葬・区民葬の制度を設けているわけではありません。事前に自治体のホームページや電話で市民葬・区民葬の有無を調べ、提携葬儀社のリストを手に入れておきましょう。

市民葬・区民葬に含まれるものと含まれないもの

市民葬・区民葬プランの多くは利用料金が決まっていますが、実際に葬儀を行うためには、他に発生する料金も避けられません。自治体により利用料金は違い、また含まれるもの、含まれないものも違ってきますが、ここでは一般的なところをご案内します。

【市民葬・区民葬の利用料金に含まれるものの一例】

・祭壇

・棺

・骨壺

・納骨容器

・会葬礼状(100枚まで)

・お知らせ状(100枚まで)

・遺影写真(白黒orカラー)

・ドライアイス(一回分)

・送迎用マイクロバス

・葬儀担当者・司会進行者の人件費

・後飾り祭壇(葬儀後、自宅に遺骨や遺影を安置する段ボール製の祭壇)

以上で、20万円から30万円程度のプランとなるのが一般的です。

【市民葬・区民葬の利用料金に含まれないものの一例】

・搬送料金(病院送迎等)

・火葬料金

・霊柩車料金

・式場使用料

・遺族控室料金

・霊安室料金

・湯灌料(納棺前に故人を洗い清め、最後のお風呂とする)

・通夜ぶるまいの費用

・精進落としの費用

・返礼品の費用

含まれないものについては、葬儀によっては、あるいは喪主の意向によっては不要な物品・サービスもあり、葬儀社と相談のうえ決めることになります。利用料金よりも、含まれない物品・サービスにかかる料金のほうが多額になるケースのほうが多いでしょう。

市民葬・区民葬のメリット

市民葬・区民葬には、以下のようなメリットがあります。

・比較的安価に一般的な葬儀ができる

昔ながらの一般的な葬儀をしたいと望んでいるなら、市民葬・区民葬がお得です。通常規模(80~150名程度を収容)の葬儀ホールを使う、祭壇や棺、霊柩車は標準のものを使うなど、「葬儀の形に特別なこだわりはない。普通に見送ってくれればよい」と願う場合は、市民葬・区民葬のほうが、他のプランを選ぶよりも安価となります。

・フルセットのため打ち合わせが省力化される

市民葬・区民葬のプランは、利用料金が定められており、またセット料金に含まれるもの、含まれないものの線引きも明確です。「含まれないもの」についても、通常葬儀を行うにあたって必要最低限の物品の提案にとどめられています。このように市民葬・区民葬を選べば、一般的な葬儀が営め、必要最低限のものは確保され、かつ安価なので、葬儀社との打ち合わせが省力化されます。

・自治体提携のため安心感がある

先にも示した通り、市民葬・区民葬を実施する葬儀社は、自治体と提携している会社です。一定の信頼を寄せるべき存在と捉えていいでしょう。

市民葬・区民葬のデメリット

市民葬・区民葬には、以下のようなデメリットがあります。

・プランから逸脱した場合は割高になる

市民葬・区民葬のプランは、祭壇・棺・霊柩車などがセットになっています。もしもこのセットを崩し、「柩はセットのものより、こちらを利用したい」といった要望を反映させたら、割高になってしまうことが予想されます。各種オプションを追加する場合も同様です。

・古めかしい葬儀になるかもしれない

葬儀社と自治体が提携を結んだときから年数が経過しており、随時更新がなされていない場合、古めかしい葬儀になるかもしれません。今は、祭壇上に生花を飾ったり、故人の生前の姿をDVD上映したりなどといった工夫が見られる葬儀が後を絶ちません。そんななかで、昔ながらの祭壇を使ったシンプルな葬儀をすると、会葬者から「ずいぶん懐かしい印象の葬儀だな」「寂しい葬儀だ」と思われてしまう可能性があります。

・より安いプランが存在する

現代では近親者だけが参列する「家族葬」や、火葬だけの「直葬(ちょくそう)」のプランを持っている葬儀社が多数あります。たくさんの人が参列する一般的な葬儀よりも、「家族葬」のほうが小さい式場、小さい祭壇で済ませることができるため、一般的な葬儀のプランよりも安価となっています。「直葬」に至っては葬儀を行わないため、かなり安価であり、市民葬・区民葬よりも安いと言っても過言ではありません。少人数の葬儀になる場合には、違うプランでも見積もりをもらった方がいいでしょう。

市民葬・区民葬はメリットとデメリットを比較して利用したい

以上、市民葬・区民葬のメリットとデメリットを考慮したうえで、市民葬・区民葬に向いている人は、「親族のほか会社関係者などを呼び一般的な葬儀をしたいが、予算が不安」「リーズナブルにひととおりの葬儀を行いたい」「打ち合わせに時間を割けないが、予算面で不安を抱えたくない」といったニーズのある人といえます。

ただ、「一般的」「一通り」という自分の感覚が、市民葬・区民葬の内容に一致しているかどうかは、詳しく確認してみなければ分かりません。よくわからないまま市民葬・区民葬を選び「フタを開けてみたら、理想と全然違った」という事態にならないよう、なるべく葬儀社とコミュニケーションを取り、複数のプランについて見積を提示してもらうようにしましょう。

木村 健太郎

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