葬儀・終活コラム

葬儀の準備投稿日:2021年06月30日

仮通夜とは？本通夜との違いや過ごし方

「仮通夜」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。通夜には、「仮通夜」と「本通夜」、「半通夜」といった言葉があり、それぞれ意味が違います。また、地域等によっても若干意味あいが違ってきます。仮通夜に参列するのはどんな人なのか、どう過ごせばよいのか、香典は用意するのかといったことについて解説します。

【もくじ】

仮通夜は故人と親族だけでゆったり過ごす通夜

仮通夜は、宗教儀式を行わず、また一般の会葬者も呼ばず、故人と親族だけで過ごす夜を指します。例えば、「亡くなって2日目の夜に通夜、3日目に葬儀と火葬」と決まったとしましょう。すると、亡くなって1日目の夜は、宗教儀式を行わず、会葬者も呼ばないことになり、「仮通夜」とされます。

本通夜、半通夜との違い

仮通夜の他に、「本通夜」と「半通夜」という言葉があります。それぞれ説明します。

本通夜とは、宗教儀式や一般の会葬者の参列を伴う通夜式と通夜ぶるまいが行われる、葬儀前夜の通夜を指します。お知らせ状の日程に書いてある「通夜」が、本通夜です。

一方、半通夜とは、「夜通し行うのではなく、短時間で切り上げる通夜」を指します。昔、通夜は夕方に始まり、夜が更けて朝になるまで行われるものでした。夜通し線香を絶やさないことが大切とされたため、集まった親族たちは、交代で眠り、線香の番を行いました。これに対して、夜が更けたら切り上げる通夜を半通夜といったのです。

現代においては、夜通し寝ずの番をする通夜はまれです。よって、現代の通夜は、仮通夜であっても、本通夜であっても、半通夜であるといっていいでしょう。

同じような言葉なので少しややこしいですが、整理すると、次のようになります。

・本通夜は、現在一般的な意味で言われる「お通夜」と同じ意味

・仮通夜は、本通夜の前の晩までに行われる、故人と親族だけで過ごす夜のこと

・仮通夜、本通夜は、現代においては半通夜で行われる

仮通夜や本通夜がない場合もある

本通夜の前までの夜を仮通夜と称しますが、現代においては、この仮通夜がないケースが見受けられます。故人を病院から直接、葬儀社の安置所などに預けることから、故人と遺族が一緒に過ごす夜がない場合です。

また、本通夜すらないケースも増えてきました。一般会葬者が少ないなどの理由で通夜を省略し、葬儀だけを執り行う「一日葬」です。

仮通夜や本通夜がなくても、喪主と遺族が話し合ってそう決めたのであれば、問題はありません。ただ、とくに本通夜がない場合には、菩提寺に喪主の意向をきちんと示し、了解を取りましょう。

さらに、もともと宗教儀式や一般会葬を伴うような通夜を行わない地域も存在します。通夜の意味合いや重要性は、地域によっても変わってきます。

仮通夜の参列者

半通夜に集まるのは、遺族を中心とした主な親族です。どんな親族を呼ぶのかは判断が難しいところですが、近親者であり、かつ近くに住んでおり来訪の負担が少ない人と捉えておけばよいでしょう。宿泊の手配が必要なほど遠方にいる人を、わざわざ仮通夜に呼ぶことはありません。ただ、先方が希望する場合には固辞する必要はないでしょう。

仮通夜の服装

仮通夜では、喪服を着る必要はありません。控えめな平服を着用するのが一般的です。男性であれば紺、グレー、ブラウンなどの無地のスーツに白いワイシャツを合わせ、ネクタイも地味な色とします。女性であれば地味色のワンピースにカーディガン、スーツなどとし、ジーンズのようにあまりにカジュアルな服や、ピンク、黄色といった華やかな色味は避けましょう。

仮通夜での過ごし方

仮通夜では、故人のそばで静かに過ごします。集まる人の数に合わせて、オードブルやお弁当を依頼するのが一般的です。食事の内容は、伊勢海老などお祝い事を連想させるような華やかなものを避けましょう。夕食や散会の時刻に、決まりはありません。親族側は、疲れがたまっている遺族に配慮し、早めに失礼するのがマナーです。