葬儀・終活コラム

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終活で遺産相続を準備するときの注意点〜生前の形見分けは慎重に〜

終活 で遺産相続の準備をしたいと考えているなら、注意したいことがあります。 遺産相続 は親として子世代にしてあげられる最後のことですが、きちんと行わなければ「争族」つまり相続人の争いごとなど、トラブルに発展する可能性もあるのです。自分の亡き後、家族みんなが円満に暮らせるよう、しっかり準備しておきましょう。

終活で遺産相続を考えるときは、まず全ての財産を把握する

終活 遺産相続

終活 の一環で 遺産相続 の準備をしたいと思ったら、まずは全ての財産を把握することから始めましょう。全財産の情報がわからなければ、誰に何を相続させるかも決まらないためです。

全ての財産を把握することは、残された人のためにもなります。通帳、証券、土地の権利書など、財産に関する書類を一か所に集め、また宝飾品や骨董品など高価な品物についてもリスト化し、財産の情報としてまとめましょう。

そして、負の財産も相続の対象になります。ローンなど、子世代にわたり負担になりそうな借金情報をまとめておきます。

終活で遺産相続の準備をするときの注意点その1:「遺言書」とは何か知っておく

死後、自分の想定通りに相続が行われるとは限りません。遺言書を残しておき、相続に関する自分の意志を伝えたいと考えている人もいるでしょう。法的に有効な遺言を残すためには、俗にいう「遺言書」とは何なのかを知っておく必要があります。

遺言書とは、自分の死後のために残す文章一般のことを言います。しかし、相続法のルールにのっとって作成された文書でなければ、法的に有効な「遺言書」とはいえません。自力で「自筆証書遺言」を作ることも可能ですが、ルールを満たすのは容易ではありません。公証役場の公証人に作成してもらう「公正証書遺言」を作るのが確実です。

まずは、手書きで思うがまま遺言書を作成しても、その通りに財産が分与されないことがあるということを頭に入れましょう。近くの公証役場へ相談に行くのが、正しい遺言書作成の近道です。

終活で遺産相続の準備をするときの注意点その2:生前の形見分けは慎重に行う

遺産相続の準備を進めていると、「生きているうちに、子どもに渡してしまおうか」と感じる財産も出てくるでしょう。多くが骨董品や美術品、宝飾品などいわゆる形見となるものであることと思われます。

そんなときは、「思いつきで」「なんとなく」子どもに分け与えるのは控えなければなりません。なぜなら、生前に譲った財産も、遺産のうちに数えられる可能性があるためです。あまりに高価な品物を、相続人のうちの一人が譲り受けていたとなれば、遺産相続のときにトラブルのもとになる可能性があります。

形見の品を子どもへ直接譲りたいと考えたら、渡し方には慎重になりましょう。例えば、子ども全員に同等額程度の品物を分け与え、それぞれに何を贈ったか伝えておくなど、自分の死後、相続人同士にわだかまりが起こらないようにしておきます。

終活で遺産相続の準備をするときの注意点その3:相続税対策をしておく

全財産を並べてみて、相続税の対象になりそうなときは、相続税対策をしておくのがおすすめです。「相続税なんて、お金持ちの人が心配すること」と思うかもしれませんが、現金がなくても都市部に不動産を持っている人は、とくに注意が必要です。改めて計算してみましょう。

生前からできる相続税対策の代表的なものとしては、非課税資産の購入があります。例えば、仏壇やお墓などの祭祀財産は、基本的に非課税です。自分のお墓を持っていないなら、生きているうちに購入しておくと節税につながります。なお、生前にお墓を建てることを「寿陵(じゅりょう)」といい、子孫繁栄や長生きにつながる縁起のいいものとされています。

また、生命保険金には非課税枠があります。法定相続人の数によって金額が変わってきますから、節税のために生保へ加入する際はまずは誰が相続人になるのかをきちんと確認したうえで金額を計算し、どんな保険に加入しておくべきかを考えましょう。

もう一つ、一般に知られている相続税対策の一つに、生前贈与があります。子や孫に財産を贈与する場合、一年間で110万円であれば非課税です。コツコツ贈与するという方法もあるでしょう。

まとめ

終活で遺産相続の準備をする場合のポイントを、シンプルに3つまとめました。「うちには、相続するものなどほとんどない」と思っていても、数え上げていけば意外とあるものです。まずは、全財産を把握することから始めましょう。また、遺言書の作成、節税対策などは、自分一人では不安な場合、専門家にサポートしてもらうことを考えましょう。財産が少なくても、多くても、相続人が多いほどトラブルになりがちです。子どもが多い、複雑な家庭の事情があるといった人も、専門家の手を借りることをおすすめします。

武藤 好彦

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