葬儀・終活コラム

法事・法要

葬儀の 宗派 がわからない!解決法と考え方

葬儀の 宗派 がわからない!解決法と考え方

葬儀の 宗派 は、どうやって決めるのでしょうか。菩提寺があればそこへ依頼しますが、最近では「先祖代々のお墓が遠く、新しくお墓を建てるつもりなので 宗派 は決まっていない」「宗教フリーの墓地を購入済み」という人も珍しくありません。菩提寺がないとき、葬儀の宗派をどう決めればよいかを解説します。

葬儀の 宗派 は、どうやって決めるのでしょうか。菩提寺があればそこへ依頼しますが、最近では「先祖代々のお墓が遠く、新しくお墓を建てるつもりなので 宗派 は決まっていない」「宗教フリーの墓地を購入済み」という人も珍しくありません。菩提寺がないとき、葬儀の宗派をどう決めればよいかを解説します。

葬儀の 宗派 が決まらないと、葬儀日程が決まらない

葬儀の宗派は、葬儀の日程を組む時に必ず必要となる情報です。なぜなら、葬儀で読経してもらう僧侶のスケジュールを押さえなければ、葬儀の日程は決まらないためです。

菩提寺がなく、仏式で葬儀をしたい場合には、葬儀社等から僧侶を紹介してもらうか、自分で探すことになります。紹介してもらうときに必ず聞かれるのが「ご希望の宗派はありますか?」という質問です。

とはいえ、仏教にはどんな宗派があり、どんな違いがあるのかを把握したうえで「●●宗がいい」と即答できる人は、なかなかいません。たいてい「お任せで……」という返事になるのですが、本当は、きちんと根拠を持って選択したいと思う人も多いのではないでしょうか。

葬儀の 宗派 を決める4つの基準

葬儀の 宗派 を決める4つの基準

葬儀の宗派を決めるとき、基準となる考え方が4つあります。以下のうち、どれが自分にしっくりくるでしょうか。

・実家や親戚の宗派と同じものを選ぶ

無難なのが、実家や親戚の宗派と同じものを選ぶパターンです。同じ宗派であれば、お参りや供養の作法もだいたい同じなので、葬儀や法要の際に戸惑うことが少ないでしょう。年配の親族などにも納得してもらいやすい方法です。

「実家の宗派が分からない」というときには、親戚に尋ねてみましょう。仏壇周りの小物にヒントが隠されていることもあります。仏壇に置かれた数珠や経典に「●●宗 ●●寺」などと、菩提寺の名前が刻まれていないでしょうか。

・新しいお墓を管理する霊園の経営主体に依頼する

もしもすでに「宗教フリー」の新しいお墓を購入済みであれば、そのお墓がある霊園の経営主体を調べてみましょう。管理業者は石材店などかもしれませんが、経営主体は、お寺である場合が多いはずです。なぜなら日本の民営霊園は、宗教法人か公益法人しか経営できないためです。霊園の経営主体であるお寺に葬儀を依頼すれば、その後の法要もお任せできるなど、何かと便利です。

・宗派の特徴から選ぶ

どのような宗派であっても、一通りの供養はできますが、宗派の特徴を知って、考え方が好きと感じるところに依頼したいという人もいるでしょう。日本の主な仏教宗派の特徴については、事項で解説します。

・無宗教葬を選ぶ

宗派を決めきれず、仏式葬儀にこだわらないようであれば、無宗教葬を選ぶという手もあります。こちらの選択肢についても、のちほど詳しく解説します。

 

宗派 による考え方と葬儀の違い

宗派の特徴を知りたいという人のために、とくに葬儀や供養のあり方について、日本の主な仏教宗派の考え方の特徴を解説します。なお、地域や寺院によっても考え方は違い、一概にはいえないことを書き添えておきます。

・曹洞宗、臨済宗

座禅によって悟りを開く禅宗系の2宗派です。葬儀は、故人が仏弟子になり、戒名をいただき、僧侶の引導によって浄土へと旅立つ儀式です。日々の信心では、掃除や料理といった日常的な仕事(作務)が修行の一環として大事とされ、丁寧で無駄のない所作が尊ばれます。

・天台宗、真言宗

護摩を焚き、「オン アボギャ」などサンスクリット語の「真言」を唱える密教系の2派です。儀式のための仏具が比較的多く、とくに真言宗は鳴り物の種類が多いため、葬儀が華やかな印象になります(僧侶の数が多いほど、鳴り物は多くなります)。読経中の動きもダイナミックな傾向があります。

・浄土宗

阿弥陀仏をとくに信仰する宗派で、葬儀では阿弥陀仏の功徳によって故人が浄土へ旅立つようにと読経します。葬儀中には、「南無阿弥陀仏」を唱える機会が多いでしょう。

・日蓮宗

特に法華経を重んじ、読経によって浄土へ導かれるという教えを守る宗派です。葬儀では、「南無妙法蓮華経」の題目を唱えることが重要視されます。

・浄土真宗

浄土真宗では、亡くなったらすぐに浄土へ行けるという考え方をするため、葬儀では、故人の供養のために読経するというよりは、亡くなってすぐに浄土へと行かせてくれる阿弥陀仏を讃えることが中心となります。葬儀中は、「南無阿弥陀仏」という言葉を繰り返す機会が多いでしょう。

ほかにも、葬儀における不祝儀袋の表書きは「御仏前」とする(ほかの宗派では、故人の霊は四十九日目まで浄土へ行かずさ迷うとされるため、「御霊前」と書きます)、線香を立てず寝かせる、戒名を作らないなど独自の作法があります。

葬儀の 宗派 に迷うなら、無宗教葬もあり

仏式での葬儀にこだわらなければ、無宗教で行うという考えはいかがでしょうか。無宗教葬儀は行われている数こそまだ少ないですが、「葬儀はぜひ無宗教で」と希望する人はたくさんおり、プランとして準備している葬儀社も多数あります。

無宗教の葬儀では故人の略歴紹介が中心になるため、故人の生前の写真をたくさん用意しておくと役立つでしょう。式中に紹介する故人の履歴についても、あらかじめ確認しておくと、式の打ち合わせがスムーズです。

無宗教葬にしようと思ったら、「お墓」についてもう一度確認しましょう。もしも、納骨予定のお墓が寺院墓地であり、檀家になっているとしたら、そのお寺に葬儀を依頼しなければなりません。「宗教フリー」と掲げていても、「それまでの宗教は不問で、お墓の契約者には檀家(あるいは「会員」)になってもらう」という意味である場合も少なくありません。

もしも、檀家になっているにもかかわらず無宗教で葬儀を行い、そのお寺に納骨を依頼したら、「仏教で葬儀を行っていない人の納骨はできない」「戒名を授けなければ納骨はできない」と言われてしまう可能性があります。注意しましょう。

葬儀の 宗派 に困る前に、生前から希望を聞くことも大事

葬儀の宗派は、葬儀社から最初に希望を尋ねられる項目の一つです。「決まっていない」と慌てないよう、事前に考えておくのがおすすめ。家族が元気なうちに希望を聞いておけるのが一番いいでしょう。

阿曽 祐三

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