葬儀・終活コラム
法事の服装はどうする?法要時の喪服・平服マナーをご案内
法事 に呼ばれたら、 服装 はどのようなものを選べばよいかご存知でしょうか。葬儀であれば基本的には喪服を着ていれば安心ですが、法事の場合は「平服でお越しください」と言われることもあります。季節によっても、ふさわしい服装は若干違います。法事の服装マナーについて、男女別に解説します。
【もくじ】
法事の服装は施主の方針によって違う
法事 の 服装 は、通夜や葬儀で着るようなブラックフォーマルが一般的です。しかし、施主の方針によって、平服となるケースもあります。平服を指定されるのは、例えば以下のような場合です。
七回忌以降など故人が亡くなってから長期間が過ぎた法事
一般的に、故人が亡くなってから日が浅いうちの法事は正式な服装ですが、年数が経つにつれ、だんだんカジュアルになっていく傾向があります。「三回忌までは喪服で、それ以降は平服で」などと決めている家があります。
酷暑、極寒の時期に行う法事
暑い時期であれば「ノージャケットで」など指定される場合があります。また、寒い時期に寒冷地で法事を行う場合は「フォーマルにこだわらず、温かい服装でお越しください」と言われるケースも多いでしょう。「平服」という言葉がない場合は、喪服をベースに気候に合わせた工夫をします。例えば雪の降る地域ならパンプスではなくブーツにする、タートルネックのインナーを着込むなどです。
いずれの場合においても、法事に参加する親族の支度や体調を考えたうえでの平服指定となります。法事の案内が来たら、喪服か平服かをまずは確かめましょう。
男性の法事の服装
男性の法事の服装を、喪服の場合と平服の場合に分けて解説します。
喪服の場合
男性が法事で着用する喪服は、ブラックフォーマルと呼ばれる黒いスーツです。黒であっても、光沢のある素材は婚礼用なので避けましょう。ネクタイ、ベルト、靴下、鞄などの小物も、全て黒で揃え、金具づかいが控えめなものを選びます。ハンカチも、できれば白か黒のシンプルなものを用意しましょう。ワイシャツは白無地の長袖で、夏場であれば半袖でも構いません。
平服の場合
ブラックフォーマルではないスーツを着用します。色は黒が望ましいですが、紺やチャコールグレーなど落ち着いた色味であれば、手持ちのビジネススーツなどで構いません。ワイシャツは白無地、ネクタイや靴下、靴、鞄は黒が好ましいですが、手持ちになければ、地味な色味やデザインのものを着用しましょう。Tシャツやジーンズなどは、カジュアルすぎるので避けます。
女性の法事の服装
女性の法事の服装を、喪服の場合と平服の場合に分けて解説します。
喪服の場合
ブラックフォーマルと呼ばれる、黒いワンピースとジャケットのセットを着用します。喪服売り場に置かれているフォーマルものであれば、パンツスーツもOKです。ストッキングは黒を選び、肌の透けないタイツはカジュアルとみなされるため避けましょう。靴は飾りのない黒パンプス、鞄や髪留めも金具などが極力ない黒を選びます。ハンカチは、白か黒としましょう。
アクセサリーは、結婚指輪の他は涙を連想させる真珠だけが許されています。ただ、「不幸が重なる」ことを連想させるため、二連のネックレスはNGです。なお、ネイルは肌に近いピンクやベージュにとどめ、ジェルネイルはオフしておきます。
女性の喪服で気をつけたいのが和装です。黒い紋付の着物に黒い帯をしめる和装の喪服は、女性の喪服として最も格式の高いものとされています。遺族が和装ではないのに、親族が和装の喪服を着ることは、主役よりも格式の高い服装をすることになり、マナー違反です。法事に呼ばれる側は洋装が無難と覚えましょう。また遺族であっても、最近では葬儀以外の法事で着物を着るケースが少なくなってきました。
平服の場合
黒、グレー、紺といった地味な色味のスーツやワンピースを着用します。アンサンブルにスカートといった形でも構いません。気をつけたいのが丈感で、トップスは夏場でも五分袖や七分袖、スカートは膝下丈を選びましょう。パンツスーツでも構いません。小物の選び方は、基本的には喪服と同じです。黒ストッキングに黒いパンプスを選び、髪留めや鞄なども全て黒とします。アクセサリーについても、結婚指輪以外は一連の真珠のネックレスやピアスをつけます。
法事の服装マナーを守り、心を込めてお参りを
以上のように、法事の服装といっても、喪服の場合と平服の場合とでは、着るものが違ってきます。「喪服で」と言われたなら、基本的には通夜や葬儀で着るような服装と同じです。「平服」と言われたなら、喪服は避け、手持ちの服の中で最も喪服に近い服を着ると考えておけば、間違いありません。
法事の席では、心を込めてお参りをすることが最も大事なマナーとなります。親族や遺族と故人の思い出話ができる時間は、かけがえのないものです。故人を偲びながら、法要や会食の時間をゆったりと過ごしましょう。