葬儀・終活コラム
一周忌 法要は1年の節目〜準備や流れ、マナーを解説〜
故人が亡くなって1年が経つと、 一周忌 の法要が行われます。施主にとっても親族にとっても、あまりない法事の機会ですから、わからないことがたくさん生じるでしょう。一周忌の法要をするための準備や当日の流れ、服装や香典といったマナーについて解説します。
【もくじ】
一周忌 は故人が亡くなって1年目の命日をめどに行われる法要
一周忌 は、故人が亡くなってから満1年目の命日をめどに行われる法要です。親族が集まりやすいよう、命日が平日に当たる際は、命日より手前の土日を法要にあてるのが一般的です。一周忌法要が命日よりも遅くなると、「故人を待たせることになる」ため、タブーとされています。
一周忌法要では、法要会館や自宅、お寺などに遺族、親族らが集まり、僧侶からお経を上げてもらい故人を供養します。その後、納骨が済んでいればお墓参りをし、会食をして解散という流れです。
ただ、どういった親族を集めるか、どんな流れにするかは遺族の判断に任されます。遠くの親族は負担になるからと、近くに住む親族に代表して来てもらったり、お墓は遠くにあるからとお墓参りをしなかったり、感染症対策のため会食をせず折詰を配ったりなど、形式は自由です。そのため、この記事では、一般的な一周忌法要の準備と流れについてご案内します。
一周忌の準備は僧侶の予定を押さえることから
一周忌の準備は、僧侶の予定を押さえることから始まります。連絡のタイミングは、早ければ早いほどいいでしょう。お盆やお彼岸の時期はとくに僧侶の繁忙期にあたるため、早めの連絡を心がけましょう。
一か月前をめどに親族へ知らせを送る
法要の一か月前をめどに、参列してほしい親族へ一周忌法要のお知らせ状を送ります。人数が少なければ電話でも構いませんが、日時や場所を周知するためには、案内を送るのが親切です。なお、メールでも構いません。
知らせる内容は、法要の日時と場所、法要の後の予定についてです。法要後、お墓参りをするのか、会食はあるのか、会食会場はどこかを知らせることで、参列者は解散の時間を予測することができます。
二週間前までに参加の可否を確認
法要の二週間ほど前までに、親族の参加の可否を確定させましょう。お知らせ状を往復はがきにするのが丁寧ですが、電話やメールでの確認でも構いません。
参加者の人数が確定したら、会食会場に知らせます。また、会食後に親族へ手渡す引き物を手配します。
前日までにお墓掃除と持参品等の買い出しを済ませておく
お墓参りをする際は、法要の前日までにお墓掃除を済ませておきましょう。また、法要会館やお寺に持っていくものを確認します。位牌のほかに何が必要になるかは、法要会館や菩提寺に問い合わせて事前に把握しておきましょう。
自宅で法要を行う際は、仏壇まわりを掃除し、香炉をきれいにしておきます。ろうそくや線香、マッチ類が揃っているかも確認しましょう。なお、法要の前後には親族への湯茶接待がつきものです。お茶の葉や湯飲み、お茶菓子が足りないときは買い足しておきます。
また、施主にとってはお布施も大事な準備品の一つです。一周忌のお布施の相場は3万円から5万円で、このほかに、お車代として5000円程度、僧侶が会食を辞退したならお食事代として5000円程度を別に包みましょう。表書きはそれぞれ「御布施」「御車代」「御食事代」→「御膳料」です。
一周忌法要当日の流れ
一周忌法要当日の流れは、以下の通りです。
・一同着席
定刻になる前に親族は着席しておきます。家族ごと血縁の近い順に着席しておきます。
・読経
定刻になったら僧侶が入堂し、読経を始めます。
・焼香
僧侶の案内により、施主から順に焼香します。
・法話
焼香が終わったら、僧侶による法話が行われる場合があります。
・移動
お墓参りのため、お墓まで移動します。お墓が菩提寺の近くにない場合、僧侶はお墓参りや会食に参加せず帰るかもしれません。施主はお布施を渡すタイミングを失わないよう気をつけましょう。
・お墓参り
お墓に仏花や供物、お水をささげた後、施主から血縁の近い順番に線香をあげます。
・移動
会食会場へ移動します。
・会食
年長者や僧侶による献杯の発声の後、会食となります。故人を偲びながら食事をともにすることが、故人の供養になるとされています。
・解散
およそ二時間程度で解散します。会食会場を後にする前に、施主は引き物を参列者に渡しましょう。
一周忌のマナー
一周忌法要のマナーについては、以下の通りです。
・服装は遺族、親族ともに黒の喪服
服装は、遺族も親族も、葬儀で着用したものと同様の黒い喪服を着ます。靴やバッグをはじめ、男性のネクタイやベルト、女性のストッキングや髪留めも全て黒でまとめます。
・香典金額は一般親族なら1万円程度
一周忌法要の香典金額は、一般親族であれば1万円程度です。故人の子、兄弟など血縁が近い場合は、3万円から5万円程度を包みます。また法要後、会食があることを考えれば、参列する家族が多い場合はそのぶん香典を厚く包むのがマナーといえるでしょう。
香典の表書きは、「御仏前」あるいは「御香典」とします。黒白の水引を使った不祝儀袋を使います。
まとめ
一周忌に誰を呼び、どこでやるのか、お墓参りや会食をするのかを決めるのは遺族です。とくに、いつ感染症が発生し、拡大するかわからない現代においては、大勢の人を集めるのに躊躇することもあるでしょう。延期する、遺族だけで執り行う、お墓参りだけにするなど
親族とも相談しながら、臨機応変に対応しましょう。