葬儀・終活コラム
宗教で葬儀は違う〜覚えておきたい宗教別葬儀の特徴〜
宗教によって、葬儀形式は違います。また、同じ宗教でも、宗派により葬儀の流れは少しずつ違ってきます。今回は、自分が喪主になったとき、参列する側になったときなどにさっと確認できるよう、宗教別の葬儀形式について総合的にご紹介します。
【もくじ】
宗教別の葬儀の特徴
日本で行われる葬儀は、仏式葬儀が大半です。ほかに、神式葬儀(神葬祭)、キリスト教式の葬儀も行われます。さらに少数派の宗教・宗派による葬儀がありますが、主なものはこの3つです。各宗教の葬儀の特徴は、以下の通りです。
仏式葬儀
多くの宗派では、戒名を得て仏弟子となる儀式が葬儀の中で行われます。故人の遺徳を偲び、また本尊を崇めるためのお経もあげられます。
神式葬儀(神葬祭)
神式の葬儀は神葬祭と呼ばれます。穢れを払い、家に新しい神様(故人)を迎え入れ、供物をささげる儀式が行われます。
キリスト教式葬儀
キリスト教の考えでは、故人は神の元へ召され、永遠の安息が約束されます。葬儀は主に神を讃える儀式の場と、故人を偲ぶ告別の場と、明確に分かれています。
宗派にはどんなものがあるのか
宗教は同じでも、宗派によって葬儀に対する考え方が違う場合があります。日本人になじみがある仏教の葬儀について、主な宗派をご紹介します。
真言宗
密教系の宗派で、開祖は空海です。大日如来を本尊としています。
天台宗
密教系の宗派で、開祖は最澄です。阿弥陀如来や釈迦如来を本尊としています。
日蓮宗
法華宗とも呼ばれる、日蓮を開祖とした宗派です。曼荼羅を本尊としています。
浄土宗
浄土系の宗派で、開祖は法然です。阿弥陀仏を本尊としています。
浄土真宗
浄土宗の宗派で、開祖は親鸞です。阿弥陀仏を本尊としています。
臨済宗
禅宗系の宗派で、開祖は栄西です。釈迦如来を本尊としています。
曹洞宗
禅宗系の宗派で、開祖は道元です。釈迦如来を本尊としています。
各宗教・宗派における一般的な葬儀の流れ
各宗教・宗派における葬儀の一般的な流れは、以下の通りです。
仏教の葬儀
真言宗、天台宗、日蓮宗、浄土宗、臨済宗、曹洞宗の葬儀の流れは、以下の通りです。
- 開式
- 導師入堂
- 読経
剃髪や受戒など、故人が仏弟子になる儀式が行われます。 - 弔辞・弔電
- 引導法語
故人の遺徳をたたえ、あの世へと魂を送る儀式が行われます。 - 喪主焼香
- 一般焼香
- 喪主挨拶
- 導師退堂
- 閉式
浄土真宗の葬儀
浄土真宗では、人は亡くなったらすぐに浄土へたどり着けると考えられているため、故人が仏弟子になるための儀式やあの世へ送るための引導などを行いません。ややシンプルな流れになります。
- 開式
- 僧侶入堂
- 読経
仏様を讃えるお経が読まれ、また念仏が行われます。 - 弔辞・弔電
- 喪主焼香
- 一般焼香
- 喪主挨拶
- 僧侶退堂
- 閉式
神葬祭
- 開式
- 修祓の儀
お祓いを行います。 - 献饌の儀
お供え物を捧げます。 - 祭詞奏上
- 弔辞・弔電
- 玉串奉奠
- 撤饌の儀
お供え物を下げます。 - 閉式
キリスト教式
カトリックの葬儀の流れは、以下の通りです。
- 神父入堂
- 開式
- 言葉の典礼
聖書が朗読されます。 - 感謝の典礼
パンと葡萄酒が祭壇に捧げられます。 - 弔辞・弔電
- 献花
- 喪主挨拶
- 閉式
プロテスタントの葬儀の流れは、以下の通りです。
- 牧師入堂
- 聖書朗読・讃美歌斉唱
- 故人略歴紹介
- 説教
- 弔辞・弔電
- 献花
- 喪主挨拶
- 閉式
まとめ
ひとくちに葬儀といっても、その意味や流れは宗教・宗派によって違います。誰にとっても慣れない葬儀の場ですが、概要を押さえておけば、喪主になったときや参列したときに慌てることはありません。どのような宗教・宗派であっても、故人を偲ぶ気持ちを忘れずに参列しましょう。