葬儀・終活コラム

供養

供養とはどんなこと?法要、お墓参り、仏壇礼拝など供養の種類と方法

人が亡くなったら、死者の冥福を祈り、またそうすることで残された人の心が癒されるよう、 供養 を行います。法要を営む、お墓参りをする、仏壇でお祈りするなど、供養にはさまざまな種類があり、自分のライフスタイルや親族の要望に合わせて供養を行うのが大事です。供養の種類や方法について解説します。

供養には2つの意味がある

供養 は、故人が安らかに眠るために、祈りや供物をささげる行為です。このことから、供養は故人の冥福のためのものという見方が一般的ですが、供養には、2つ目の意味があります。それは、故人に祈りをささげることで遺族が故人との思い出を振り返り、故人への想いを共有して、心を癒すというものです。

つまり供養は故人のためのものでありながら、生きている私たちのためのものでもあります。しっかり供養をするのも大事ですが、過度に遺族の負担になってしまうような供養では、目的を果たせません。

供養の種類を知り、どのようなやり方が故人と自分たち遺族に適しているのかを、家族や親族みんなで話し合いましょう。無理のない方法で故人を偲び、大事な人を亡くした自分たちの心も癒していくのが理想です。

供養の種類1:お墓参り

供養

供養の種類として、代表的なものがお墓参りです。故人の遺骨が納められているお墓を訪れ、お花や供物をお供えし、線香をあげます。お墓参りをするタイミングは、故人の命日やお盆、春彼岸と秋彼岸が一般的です。

お盆は毎年、8月12日から16日の間で、東京など一部の地域によっては7月12日から16日に行われます。春彼岸は春分の日を中間に置いた一週間、秋彼岸は秋分の日を中間に置いた一週間です。

お墓が近ければ、お盆やお彼岸といった節目の日にお墓参りができますが、難しい人も多いでしょう。帰省したとき、故人を偲びたくなったときなど、お墓参りはどんなタイミングであってもできます。

お墓参りの際には、線香、ろうそく、マッチ、お花、供物を持参します。また、ホウキや雑巾、ゴミ袋など掃除用品を持っていき、墓石とお墓周りを清潔に保つことも供養の一環です。

供養の種類2:法要

法要とは、法要会館や自宅、お寺などで位牌を前に僧侶が読経し、親族など参列者らが焼香を行って故人の冥福を祈るものです。儀式のあと、会食が設けられます。葬儀後、四十九日までの期間に営まれる法要を「忌中法要」、一周忌からの法要を「年忌法要」と呼びます。詳細は以下の表をご覧ください。

法要とは、法要会館や自宅、お寺などで位牌を前に僧侶が読経し、親族など参列者らが焼香を行って故人の冥福を祈るものです。儀式のあと、会食が設けられます。葬儀後、四十九日までの期間に営まれる法要を「忌中法要」、一周忌からの法要を「年忌法要」と呼びます。詳細は以下の表をご覧ください。

実際には、四十九日までの忌中法要を葬儀と同時に行い、葬儀の後は四十九日法要まで親族を呼ばないのが一般的です。三十三回忌を弔い上げとし、その後は個別の法要をしないことが多いため、途中の回忌法要は省略しても、三十三回忌だけは親族を呼んで盛大に行うといったしきたりが全国的に見られます。※法要を行う日取りは手前の土日などでも可。後にするのは「死者を待たせる」ことからタブー。

また最近では、百か日を省略する、七回忌以降は個別の法要をやらない、会食を省略するといった動きも出てきました。参列者が高齢になり、遠方に親族が散らばるといったライフスタイルの変化もあって、法要は簡略化の動きが加速しています。

供養の種類3:仏壇での祈り

仏壇に向かってお祈りするのもまた、供養の一つです。仏壇には、宗派にのっとった本尊が祀られており、その真下に故人の位牌が据えられています。仏壇に祈ることは、故人の供養であり、また本尊をあがめる行為でもあります。

仏壇がある家では、毎日仏飯と水をお供えし、線香をあげるのが一般的です。法要の日や、お盆、お彼岸といった節目には、いつもとは違う少し豪華なお供え物をします。故人のために陰膳を作ったり、故人が好きだったお菓子などをお供えしたりなど、地域やその家の風習によって、お供えの仕方は様々です。

また、その家の考え方や、菩提寺となるお寺からのアドバイスによっては、いつもは仏壇を閉めておき、命日やお盆、お彼岸といった日にだけ仏壇を開けるといったしきたりも見られます。

最近では、仏壇を購入せず、遺影と位牌を小さな台に置いてリビングに飾ったり、遺灰をペンダントなどに込めて肌身離さず持ち歩いたりといった供養法もあります。仏壇はなくとも、常に故人と共に生活しているという点では、仏壇に位牌を祀るのと変わらないといえるでしょう。

自分と家族のための供養を模索しよう

以上にご紹介したように、供養は昔ながらの決まった型がありながら、人々のライフスタイルに合わせた変化が見られます。先祖のためのものであると同時に、自分たちのためのものでもあるということを念頭に置いて、どんな供養がふさわしいかを考えましょう。

供養を模索するときには、家族の意向だけで決めるのではなく、近しい親族の希望を尊重するのも大事です。親族の声に耳を傾け、家族の意向も打ち明けて、双方の希望がなるべく叶うような形を一緒に探っていきましょう。

菅野 実

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