葬儀・終活コラム

法事・法要

法事の引き出物はどう選ぶ?お返しの品物や金額相場、「のし」の書き方

法事 の 引き出物 は、法事に来てくれた親族などに渡す手土産品です。参列への感謝の気持ちを示すものであると同時に、香典へのお返し物という意味も含んでいます。引き出物の品物や金額相場、品物にかけるのし紙に書く言葉などには、マナーがあります。故人を偲ぶのにふさわしい品を選びましょう。

法事の引き出物のマナーは、基本的には葬儀の香典返しと同じ

法事の引き出物には、品物の選び方、金額相場、のし紙の書き方にマナーがあります。いずれも、基本的には葬儀の香典返しと同じです。

葬儀の香典返しといえば、お茶やお菓子、黒白の水引があしらわれた掛け紙をイメージする人が大半でしょう。品物の種類にも、のし紙の書き方にも、そして金額にもきちんと意味があります。それぞれご案内します。

法事の引き出物の品物を選ぶときのマナー

法事 引き出物

法事の引き出物を選ぶときには、次の3つのマナーを意識しましょう。

「消えもの」を選ぶ

葬儀や法事などの弔事においては、「悲しみをいつまでも残しておかない」という意味から、「消えもの」と呼ばれる消耗品や食品が選ばれます。つまり、食べたり、使ったりすれば消えてなくなるものという意味で、お菓子やお茶、洗剤や入浴剤、タオルといった品物が定番です。また、消えものに限らず受け取った相手が気に入った品物を選べるカタログギフトも、主流になりつつあります。

華やかな雰囲気のものは避ける

食品は消えものだからOKとはいっても、伊勢海老など、お祝い事を連想させるようなものは避けましょう。食品のうち、法事の引き出物として長く人気を保ってきたのが、弔事を連想させる黒いあんこを使った羊羹やどら焼きなどの和菓子です。海苔やひじき、しいたけといった乾物も、黒っぽい色が法事に適していることから重宝されてきました(ただし、乾物のうちでも昆布は結婚式に使うイメージがあるため、弔事では使われません)。現代では、それほど色味を限定することなくさまざまな品物が選ばれるようになりましたが、品物自体やパッケージが華やかな雰囲気のものは、避けたほうが無難です。

重いものは避ける

手土産品として渡す品物なので、持ち帰るのに大きな負担になってしまうようなものは避けましょう。大きなもの、重いものを避け、小さいもの、軽いものを意識します。先ほど例に出した乾物や、お茶などは持ち運びやすいことからも人気があります。

法事の引き出物の金額相場

法事の引き出物の金額相場は、2000円から3000円程度です。これは、法事の香典相場が親族一人当たり1万円程度なので、「食事代として3000円~5000円、引き出物が2000円~3000円なら、お返しとしてじゅうぶん」という考え方から来ています。ほか、地域によっては、仏前の供物として親族から提供されたお菓子などをバラして配ることもあります。

法事の引き出物の「のし」の書き方

法事の引き出物には、のし紙をかけます。のし紙は、白黒の水引があしらわれているものを選びましょう。関西など地域によっては黄白の水引が選ばれることもあります。のし紙の表書きは、宗派によって、また地域によって違います。

仏式の法事で使うのし書き

全国的に使われるのが「志」です。ほか、「一周忌」など年忌を示したものも使えます。より丁寧に、「志」の右肩に「●●回忌」などと記したのし書きもみられます。地域によって「粗供養」「茶の子」といった言葉を使う場合もあります。

神式の法事で使うのし書き

「志」「忍び草」が全国的に使われます。「一年祭」など、式年を表す言葉も使うことができます。

マナーにのっとった品物の中から、喜んでもらえるものを選ぼう

以上、法事の引き出物のマナーについてお伝えしました。法事のお返しとしてふさわしい品の中から、「相手に喜んでもらえるものは?」「故人らしいものは?」と考えて選びましょう。

引き出物の購入は、ギフトショップで行うほか、葬儀社に相談すれば仏事用ギフトのカタログが手に入ることがあります。最近ではネット通販によるギフトショップもたくさんあります。ネット通販などを利用する際は、対面でのアドバイスが得られないため、金額相場や品物の種類、のし書きの種類などに気をつけながら選びましょう。

橋本 祐子

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